転職を考えて、何社か面接に行ったのが2年半前くらい。その中の1社は一部上場企業で、規模は確か3000-4000億くらい売上がある会社でした。日本にHQがある会社で働きたかったのですが、その当時勤めていた外資は、グローバルでみても大きい会社で数兆円売上があるところでした。
普段面接をする立場だったので、受ける新鮮さと緊張、そして少し話してみて、良くも悪くも全然いろいろ違うなーと思いながらインタビューされていたわけですが、結構圧迫な面接(というより今考えるとそうさせてしまった自分がいるかもですが)というか、質問が上からで挑戦的で、面接の方が自分に自信があるような感じでした(それは本来ないからそうなるのですが・・・)。いずれにしても余裕ない感じでした。話していて、そこまで専門性がない私でも、その分野の専門性や経験が足りていなそうだったので、そんなことも知らないんですか?的な態度を出した私も大人げないですが、最後に質問ないか?と聞かれました。その時点で、まぁ落とされるだろうし、こちらも行きたくないなと思っていたので、何か面白い質問ないかな?と思って「固定概念」って御社や皆さんはありますか?あるならそれは何から来ていて、どうしてだと考えますか?と聞きました。
面接官が答えたのは、「我々には固定概念はない、固定概念を持つなって言われてるから」と驚くほど低レベルな答えが返ってきたので、そうですか、とだけ答えて帰りましたが、予想通り落ちました(笑)。そんな答えを言ってる時点で固定概念あるんだけどな~、とは思ってましたが、自分も良くないところがあったなーと反省し、ちょっとその後の面接を改めて、今の会社に入って2年が経った感じです。改めなくても入れたと思いますが、落ちた会社の面接は、いろんな意味で良い経験させてもらいました。
前置きは長くなりましたが、固定概念とは、育った環境や教育、経験や体験などから形成されるので、固定概念を持つな!と言われたから、固定概念がない、なんて話にはなりません。この固定概念、とてもやっかいであり、それは自己限定にも繋がるのでとても難しいことです。
先日、4月に入った新入社員がいて、入ったばかりのころに一度オンラインで、所属部門(大体100人くらい)の説明をしました。その部には数グループあるので、それぞれのグループの役割やタスク、全体のプロセスの説明などを簡単にしたのですが、新入社員は私のグループにはいないので、それ以来話すことはなく、先日久々に出社したときに、紹介されて、ああ、あのときの~~みたいな感じで、半年以上たって会いました(笑)
いろいろ雑談したり、凄い環境で仕事し始めたね、大変でしょう?などというような話をしていたときに、人も知らない、仕事も知らない状態で、かわいそうだなーと最初思いましたし、本人もきついです~と言っていたのですが、そこで私は、ちょっとハッとしました。
かわいそうではないんじゃないか?ということです。
これからの働き方は、少なくとも今の会社においてはテレワークが中心になるでしょうし、それはワクチンや治療薬が出ても恐らく変わりません。勿論、安全な状態になれば、直接会って話す必要なときはそうすればいいですが、これまでのように毎日出勤をして・・・なんて世界には戻りません。
毎日出勤して働くということを当たり前だと無意識に思っていた、そしてそれを基準に考えていた自分に気づきました。かわいそうだな、と最初に思ったのはその当たり前=固定概念が基準になっていたということ。考えてみれば、これから知らない人達、違うチームで仕事をすることはこれまで通り当然のようにあり、彼はテレワークの中入社したので、確かに大変なところもありますが、逆にこの新しいともいえる働き方しか知らない、ということはいいんじゃないか、と思うわけです。机と席がある、もしくはフリースペースで仕事をするという経験がなく、何が違うか、とか想像は出来るけど体験は出来てない状態。でもそれは彼にとってはもう当たり前の話であり、どうやって知らない人、わからない仕事を直接会わないで覚えたか?関係をつくったか?ということを体験しているのは強い。無意識に得られたものは多いのではないかなと思うわけです。
結局、近い将来知らない仕事やメンバーと仕事をすることは間違いなく来る。コミュニケーションやチームビルディングを模索いる状態で、この新しい働き方のスタイルが出来ていない自分は、何かの固定概念に囚われているでしょうし、今は自信をもって、これまでのようなチームビルディングが出来るとは現状言えません。
世の中は凄いスピードで変わっていますが、コロナにより、それが強制的に加速しました。この加速で合理的になった、効率的になったところは自分でもありますし、ある程度のアジャストはしてますが、しかしこの変化をしっかり理解し、では自分は(今は特にチームとかですが、そのほかのことも)何が必要か、そして行動しなければいけないか、というのは常に考えていかねばならないと思います。そしてもう若手ではないので、すんなり物事が入ってこなくなってきた自分もいて、おっさんには中々厳しい時代が到来しているのです(笑)
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