個人的にはいろいろなものが値上げされても、このくらいの値上げは許容範囲ではありますが、今後によっては無視も出来ないような問題。円安がどーのこーのとありますが、少し構造的にどうなってるのか考えてみました。それより株価が下がることのほうが厳しい。
まず地政学的なところはウクライナとロシア。ウクライナ東部は肥沃な土地があり、そもそも小麦の一大産地。直近では海上が使えないため陸送がメインとのことで、これは価格があがる原因。
さらに、ガスなどをロシアに頼っている欧州では、それ自体が減れば、化学品の原料をつくる生産能力も落ちるし、当然価格も上がる。元が上がれば最終製品も値上げ基調にはなります。石油なんか典型。
物流面では、地政学的なリスクの前から海上輸送は混んでおり、さらに食料優先になるので、化学品などはだいぶ遅れている模様。当然価格は上がるし、納期(リードタイム)は長くなる。リードタイムが長いのは企業のキャッシュフローに影響はする。
日本の経済や企業活動を考えれば、上記の影響に加え、円安があります。ハッキリしている原因はアメリカの利上げであり、普通に考えればゼロ金利でお金じゃぶじゃぶさせてる日本と比べば、それはドルが強くなる。
なぜ日本が金利を上げないか(引き締めないか)といえば、アメリカと違い需要が弱いからでしょう。アメリカは需要が強く、インフレを抑えたいから金利を上げる。日本は30年給料上がらんとかそういうことにも関係しているでしょう。
円安が悪か?といえば、当然ビジネスモデルによりますが、企業の業績みる限り別にそこまで悪くないような。過去最高益も多いし、全体からみればGDP押し上げるでしょう。ただ、先行きが不透明だから株価が上がらないみたいな。
円安は輸出そのものにはプラスですが、そもそも原料をかなり輸入に頼っているので、それが高騰し輸出時に価格転嫁(値上げ)するか、もしくは円安によって相殺されるなら良いということになります。
国内で、様々な値上げに踏み切る状況ですが、日本はデフレマインドがありすぎて、値上げを極端に嫌がる傾向にあるように思います。値上げ出来ないと当然企業の収益に影響があるので、割と悪いスパイラル。企業もビビッて、ホントに無理ってとき以外はしないし、値上げで実際失敗した例は数多くある(かつてのユニクロや鳥貴族みたいな)
また需要が弱いのは、何だかんだで日本が相対的に金持ちも貧乏人も等しく貧しくなっていることもありますし、貯金文化が未だに残り、節約とか結構染みこんでる感じ。だから貯金は減らないけど、生活は貧しくなっていくみたいな。投資もしないので、相対的に円が弱くなれば、貯金が変わらなくても貧しくなるという構図ではなかろうか。
これが酷くなるとスタグフレーションに陥るわけですが、経済対策的なものは、なんかあんまりパッとしないような。急激に何かを良くするとか無理だと思うので、人口が減っている中、まだ相対的には豊かといえる状態をどうやって保つかということが現実的ではなかろうか。短期で何かしても無理なので、少なくとも5,10年スパンで戦略的に動くべきでしょう。様々な既得権が邪魔しそうですが・・・。
産業構造もだいぶ変わってきていると思います。海外で生産する企業は30年前に比べ飛躍的に増えたでしょうし、輸出の産業そのもの、例えばクオリティであったりですが、かつて優位だったものも段々薄れていっているのも円安が超プラスとならない原因かもしれません。
短期でも長期でも割と絶望的な感じもしますが、結局世の中の流れに何とかついていき、今の豊かさをどれだけ保てるか、というのが現実的でありつつ、等しく貧しくなっているなら、食うに困る人は増えるわけなので、その辺はどう暴動が起きないように、大して格差のない日本が分配していくかということになるでしょう。格差社会とかって、統計的にみれば日本には当てはまらないので、そんなに分配を気にする必要もないような気もしますが。
相変わらずまとまりのない文章でした。
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